ホテルのアメニティキットは、ポーチ、ロゴ、いくつかの内容物という小さな判断に見えます。しかし、複数施設分を購入する調達部門では、決定する順序がほぼ決まっており、バッグが最初になることはあまりありません。この順序を守ると、内容物が変わるたびにポーチを描き直さずに済みます。
本記事ではその順に沿って、各段階でバッグメーカーが必要とする情報を説明します。
調達を内容物リストから始めるのはなぜか?#
ポーチは何かを収納するためのものなので、サイズ、内部の配置、開閉部はすべて内容物に従います。一般的な布製キットには、歯磨き、ひげそり、裁縫の用品や、アイマスク、靴下などの快適用品が入り、施設の種類ごとに組み合わせが異なります。
内容物リストには、各品の寸法、液体かどうか、個別の包装方法を記載します。それがあればバッグメーカーは形状と寸法を提案できます。なければ、サンプルは推測にすぎず、実物が届いてから修正することになります。
持ち帰るか置いていくか、ポーチのその後をどう決めるか?#
次に、宿泊客が持ち帰って再使用する想定か、一回の滞在用容器なのかを決めます。この選択が、以後の仕様の大半を左右します。
持ち帰り用なら、丈夫な布地、しっかりしたファスナー、処理した縫い目、携帯したくなる控えめなブランド表示に意味があります。一滞在用は別の製品で、後述の包装規則にも該当しやすくなります。上位の客室には記念に持ち帰るキット、それ以外には簡易なものという、両方を使う企画も多くあります。
内容物にはどの規則が関係するのか?#
使い捨てトイレタリーの規則は、キットに入る物、ひいてはサイズを変えます。カリフォルニア州のAssembly Bill 1162は、宿泊施設がパーソナルケア製品の小型プラスチックボトルを提供することを禁止しています。対象は容量六オンス未満で再使用を意図しないボトルで、パーソナルケア製品はシャンプー、ヘアコンディショナー、浴用せっけんに限定されます。50室超の施設は2023年1月1日から、50室以下の施設は2024年1月1日から適用されました。
EUの包装・包装廃棄物規則Regulation (EU) 2025/40は、宿泊業で一回の予約に使い、次の宿泊客が来る前に廃棄することを意図した、化粧品、衛生用品、トイレタリー製品の使い捨て包装を、2030年1月1日から制限します。規則は例として、シャンプーボトル、ハンド・ボディローションのボトル、固形せっけんを包む小袋を挙げています。欧州委員会には2027年2月12日までに制限の指針を公表することが求められています。
これらはトイレタリーの包装を対象とする規則ですが、ポーチの収納物を変えるため関係します。Annex Vの他項目と異なりpoint 5はプラスチックに限定されないため、内容物入りで一滞在後に廃棄するポーチも、この項目との照合が必要です。
ポーチそのものは包装に当たるのか?#
中身を詰めて渡す場合には、この問題が生じます。欧州委員会の指針C(2026)3702は、靴や衣類のダストバッグについて、最終利用者へ製品を収容、保護、取扱い、配送、提示する目的であれば包装に当たるとしています。また、繊維製の販売用包装はArticle 6(11)(g)によりリサイクル可能性要件が免除されますが、その他のPPWR義務は適用されるとしています。
指針は、各品をその定義に照らして評価するよう強調しています。空で渡すポーチは他の製品を収容・提示しませんが、提示する製品を詰めたポーチはダストバッグに近い使い方です。特に一滞在用なら、具体的な形態を適合性担当者に確認してください。
| 順序 | 決定事項 | バッグメーカーが必要とする情報 |
|---|---|---|
| 1 | 内容物リスト | 各品の寸法、液体、個別包装の方法 |
| 2 | 持ち帰るか置いていくか | 客室タイプ別の用途と想定使用期間 |
| 3 | 内容物の規則 | 使用市場、内容物を変える使い捨て包装制限 |
| 4 | 包装の分類 | 空で渡すか、内容物を詰めて渡すか |
| 5 | 形状と開閉部 | 希望形状、誰がどの頻度で開けるか |
| 6 | 素材と訴求 | 布地、加工、訴求する正確な文言 |
| 7 | ブランド表示 | ブランドマニュアル、ロゴデータ、加工方法 |
| 8 | 納品時の包装 | 平ら・立体、個袋・束、納品先ごとのカートン表示 |
形状、サイズ、開閉部はどう選ぶか?#
内容物と、その後の使い方が決まれば形状を選べます。薄い物を少数入れるならフラットなファスナーポーチ、かさばる物を立てて入れるならマチ付きボックスポーチが適しています。巾着袋は客室清掃時の補充が速い一方、内容物の保持は弱くなります。
開閉部も使い方で選びます。清掃スタッフは補充時に何度も開閉し、宿泊客は客室で開け、荷造り時にもう一度開けます。空のポーチでは滑らかなファスナーも、中身を入れると引っ掛かる場合があるため、実物を入れたサンプルで確認してください。
このような企画をご検討中ですか? 要件書をお送りいただければ、素材と構造の選択肢をご提案します。お問い合わせ →
素材、加工、訴求はどう決めるか?#
素材は、使用後の扱いに従います。織物のポリエステル、ナイロン、綿、再生原料を含む布地はいずれも一般的で、求める風合いと使用期間で選びます。濡れた浴室に置くなら、撥水と防水では構造の性能が異なるため、区別して指定します。
撥水加工には化学物質の確認も必要です。2026年10月10日から、一般消費者向けの衣類と関連アクセサリーの繊維製品では、均質材料で測定してPFHxAとその塩を25 ppb未満、PFHxA関連物質を1,000 ppb未満とする制限が適用されます。前文は関連アクセサリーの例としてハンドバッグを挙げ、その他の消費者向け繊維製品は2027年10月10日から対象となります。
ポーチやカード上のサステナビリティ表現も同様に注意が必要です。2026年9月27日から、Directive (EU) 2024/825は、事業者が広く認められた優れた環境性能を実証できる場合を除き、「環境にやさしい」などの一般的な環境訴求を禁止します。同じ媒体上で内容を明確に特定した訴求は一般的な訴求には当たりません。再生原料の訴求を載せるなら、先に裏付け書類を確認します。再生素材の訴求を検証する方法では、求める書類を説明しています。
ブランド表示、ラベル、ブランドマニュアルはどう扱うか?#
ホテルグループには通常、ロゴ、色、場合によっては宿泊客向けアイテムの雰囲気を定めるブランドマニュアルがあります。持ち帰り用ポーチでは、大きな印刷より型押し、織りネーム、同色系の刺繍など控えめな表示がよく選ばれます。広告に見えないポーチの方が、宿泊客に携帯してもらいやすいためです。
一つのデザインを複数ブランドや施設で使うなら、本体を共通にしてラベルだけを変えるか、早めに決めます。承認済みの構造を企画全体で共用し、試作をブランド表示部分に絞れます。
空のポーチの梱包・納品をどう指定するか?#
最後はポーチ自体の包装です。空の状態で平らに納品するか、形を出して納品するか、束にするか個袋に入れるか、一つの注文を施設間で分ける場合のカートン表示を、調達側が決めます。
個別ポリ袋は淡色のポーチを保護しますが、施設側で処分するプラスチックを増やします。カートン表示は各施設、または内容物を詰める業者の受入指示に合わせてください。
バッグメーカーには何を送ればよいか?#
上の順序に沿う要件書があれば、メーカーは試作に必要な情報を揃えられます。
- 寸法付き内容物リストと、液体の品目
- 持ち帰り用か一滞在用容器か、対象の客室タイプ
- キットを使用する市場
- 希望形状と開閉部、または形状が解決すべき課題
- 希望素材、加工要件、印刷したい訴求
- ブランドマニュアル、ロゴデータ、想定する表示方法
- 空のポーチの梱包、ラベル、納品先への振り分け方法
ROOTSMENが製作するのは収納用品とその包装で、トイレタリーやその他の内容物は買い手が調達します。内容物リストと上記の決定事項をお送りいただければ、それに合わせた構造をご提案します。
出典#
- California Legislative Information、Assembly Bill 1162(2019年、Statutes of 2019 Chapter 687)、Public Resources CodeのDivision 30、Part 3、Chapter 6.1(Section 42372から):https://leginfo.legislature.ca.gov/faces/billTextClient.xhtml?bill_id=201920200AB1162
- EUR-Lex、包装・包装廃棄物に関するRegulation (EU) 2025/40、Article 25およびAnnex V point 5:https://eur-lex.europa.eu/eli/reg/2025/40/oj/eng
- 欧州委員会(DG ENV)『包装・包装廃棄物規則(PPWR)FAQ』2026年8月版、ホテルの小型トイレタリー(Annex V point 5)とArticle 25(6)に関する質問:https://environment.ec.europa.eu/publications/faq-packaging-and-packaging-waste-regulation-ppwr_en
- 欧州委員会、包装の定義に関する指針C(2026)3702:https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=intcom%3AC%282026%293702
- EUR-Lex、Commission Regulation (EU) 2024/2462(PFHxA):https://eur-lex.europa.eu/eli/reg/2024/2462/oj/eng
- EUR-Lex、Directive (EU) 2024/825:https://eur-lex.europa.eu/eli/dir/2024/825/oj/eng


